Y医院での放置プレイの思い出。
私が学生時代の頃の話です。
当時私は、しょっちゅう”ものもらい”ができている時期がありました。
(まぶたにある、脂や汗を出す線にばい菌が入って、炎症を起こしている状態です。)
不規則な生活に、コンタクトレンズをはめたまま寝てしまったりしていたので、そのせいだったのかもしれません。
この”ものもらい”なんですが、ちょっとだけポッチリとあるくらいならいいんですけど、あの当時はよく悪化していて。
四谷怪談か?というくらいにまぶたが腫れ上がってヒドかったので、毎回切開して治療していました。
確かトータルで3回くらい切開したと思います。
それでその時、私は「Y眼科」というところに通っていました。
そのY眼科は、90越えの超おばあちゃん先生と、その息子とおぼしきおじいちゃん先生、それからまぁまぁ年配の看護師さん数人にこれまた年配の受付の方、と、とにかく全体的に年齢層が半端なく高い眼科でした。
(診察はほぼおじいちゃん先生で、超おばあちゃん先生はとりあえずいらっしゃるだけでした。)
結構患者さんは多かったのですが、院内は「いつから開業してるの?」ってくらい古くて、確か下駄箱とかも昔の小学校を思わせるよう感じで、受付の場所も「番頭さんか?」っていうような、昔ながらの銭湯の入り口みたいな造りでした。
そして何より驚くべきことは、院内に犬を飼っていたんですよ。笑
え!?ここ病院だよね?と、最初は目を疑いました。
でも、診察にきている患者さんたちも皆ふっつ~で誰もツッコむ気配すらなかったので、まぁそんなものなのかなと、とりあえずスルーしていました。
そんなある日、またしても”ものもらい”で切開することになった私。
別室の寝台に寝かされて、麻酔の目薬を差して横になっていました。
「少しこの状態で待っててね」と看護師さん。
いつまでこの状態だろ~と思いながらそのまま横になっていると、突然すぐ近くで声が聞こえました。
「せ、先生!みーこが!みーこが~~~!」
バタバタと私の横を通り過ぎる看護師さん。
「先生!みーこが赤ちゃん連れてきましたーーー!!!」
え!?何事??
私の顔にはタオルがかけてあるので様子が分かりません。
「なにー!そうか!」
バタバタと先生の足音が近づいてきます。
ガチャ。ガラガラ~。
あれ?これ今私のいる部屋じゃない?
「み~こ~~~♡」
「よく来たな、み~こ!」
「わ~!み~こ。可愛い赤ちゃん産んだんだね♩」
あらあら?ナニコレ?
看護師さん数人も集まってきた模様。
キャッキャッ🎵
キャッキャッ♬
・・・(;'∀')
えーーーご歓談中ですかぁーーーー!?(´゚д゚`)
院内で犬を飼っているくらなので、相当動物好きな方々なんでしょう。
察するに、眼科の皆さまが手なずけていた野良猫のみーことやらが、たまたま私が寝ていた部屋のベランダに、産んだ子猫とともに来ていた模様。
すっかりみーこファミリーに夢中の先生と看護師さんたち。
あの~・・・
忘れてませんか?私のこと・・・。
先生と看護師さんたちが、みーことのひとしきりの再会を済ませた後、無事に私の切開は終わりましたとさ。
衛生面でどうなんだろう?と色々とハテナが浮かぶ眼科でしたが、その数年後、超おばあちゃん先生がお亡くなりになったと聞いて、寂しく思ったものです。
都会だったらありえないだろうな~。笑
まさかの眼科で放置プレイされた私ですが、今となっては懐かしい思い出です。